20130527

Maison Martin Margiela 2013AW トランクショー

お久しぶりです。
お前はいつまで裸の兄ちゃんをトップ記事にしておくつもりだと
お嘆き下さる方はいらっしゃいますか?









メゾンマルタンマルジェラの2013AWトランクショーに行ってきました。

年明けのセールが一段落した時に行ったきり、
シーズン真っ盛りの品物を取り置いてもらったまま3ヶ月余り放ったらかすという
迷惑千万な私のことをそれでもご招待して下さって本当にありがとうございます。






(もこもこ萌え)


2013AWのマルジェラメンズはざっくり言うと「寒さと向き合う服」でした。
秋冬シーズンらしい防寒能の高さはもちろんなのですが、それだけじゃなく
「寒さに対する服の応答」をデザインに落とし込んでいるあたりが
とてもマルジェラらしくて素敵でした。






例えば、


メインコンセプトのひとつ、【モア・クローズド】のジャケット。
この変わった前合わせは単なる変形ダブルブレストではなく、
「寒さをしのぐために着ているジャケットの前をよりきつく閉める」という
ジェスチャーを元に作られているものだとか。
「北風と太陽」のVS北風的なあれですね。








左のお兄さんが着ているのは同じコンセプトのニットやコート。
このコートなんかはイングランド?かどこかの郵便局員の防寒コートと
良く似たデザインで着易そうだし、何よりかわいいですね。
あまり期待しないで羽織ってみたらうっかり似合ってしまって心が揺れました。








【襟を立てて寒さをしのぐ】ジェスチャーを元にしたこちらのコートは
襟の裏にワンポイントとなる色合いの生地が充てられている仕掛けが。
ベースがシンプルなのでフォーマルにも問題なく使えそう。






そういえば、



コレクション発表当初大いに萌えていたこのツナギスーツ(左)ですが、
腰が完全に繋がったジャンプスーツタイプではなく
「セットアップだと思っただろう?残念、つなぎでしたー!」
って感じの“一部が繋がってるフェイクセットアップ”でした。


欲しかったのはあくまで“テーラード仕立てのジャンプスーツ”、
そう、ただセットアップがひっそり繋がってるってだけじゃ萌えないんスよ…。


特に後ろ姿が完全に普通のジャケットにパンツで残念極まりなかった。


ツナギらしさもセットアップらしさも不十分てどういうことだよ!
むしろ何の為に上下繋げあわせたんだよ!
着辛いだけだYO!



猛りし恋は空しく消え去りて候。
同生地でクロップド丈のパンツがあるらしいので、そっちを探そうと思います。。








毎度人気のレプリカシリーズ、今回はこれまた人気の出そうなヘビーニット特集でした。
フィッシャーマンズニットとかアランニットとか、あの辺のです。
全5種類。








これはズドンとボックスシルエットで大きな袖ときつい襟ぐりが特徴。
不自然なくらいに袖が大きいです。中に着込んでも腕を動かしやすいようにでしょうか?
ざっくり具合が女性客にもウケたようで受注も少なくないそうです。








こっちはいわゆるアランニットですね(たぶん。)
凝った織り模様以外は通常のプルオーバーのサイズ感なので難易度は低め。
織り模様に空気が入るのか、他のに比べて薄手ですが負けないくらい温かかったです。


あとはべこべこに凹んだ金ボタンのカーディガンとかがありましたが
特に気に入ったのはこのふたつ。




そして定番のドライバーズニットもレプリカシリーズにあやかったかのような
圧縮加工の古着っぽいふんわり柔らか仕上げになっていてとても素敵でした。

毎度期待を裏切らない割高感に定評のあるドライバーズニットに
更に加工費プラスで10万円弱という
なんとも男前プライスでしたが。








2着のスウェットを解体・再構築した
おなじみインダストリアルアーティザナル(長い)のスウェット。
これ面白いのが、印刷されてる大学名やチーム名はどれも架空のもので、
マルジェラに縁のある住所などを適当にもじって作ったものなのだとか。
そのでっち上げ感も中々ですが、もっとすごいのが
「元スウェットに縫い付けられていたタグを引きちぎった跡」
までちゃんとでっち上げている所!
上の写真で赤いスウェットの襟ぐりに微かに白いタグ跡が残ってるの、解ります?


インダス(ryのこういう「でっちあげ」感は昔の本気アーティザナルを
尊重しているようにも揶揄しているようにもとれてとても面白いです。
本気の方に慣れ親しんだ人にすればやればやるだけかえって不快かもしれませんけどね。
新しさと変わらなさがいい具合にぶつかりあってて、なんだか素敵じゃないですか。


だからってスウェットに7万弱出すかどうかって
それはまた別の話ですけどね?









つぎはぎケープ。
これ、コレクション初見の時点でショーピースであることを確信していたのに
普通に商品として並んでて笑いました。
値段は聞きそびれましたが確かに商品化するとのこと。
記念に羽織っておけばよかったです。








この袴みたいなごんぶとパンツとかファーのマフラーとかも
見てみたかったですがサンプルが無く断念
(パンツはもしかしたらあったかも)
(そしてファーのは10万越ェ…)






メンズはここまで。
レディスに移ります。






今回のショーコレクションは隆起させたコンパクトな肩や
メカメカしく入り組んだダーツ、極端に大きな細部のディテールなど、
デビュー初期の気持ち悪いマルジェラさんのような雰囲気があって
実物を見るのが楽しみでした。






なかでも、


この袖無しのジャケット。
これは入荷があるなら即確約、無くても食い下がって入荷情報手に入れたる!
って息巻いていたのですが、ショーピースで生産無し...orz


というかまあ、
例によってショーコレクションはほとんど入荷無さそうなんですけどね。
残念。






そして数少ないサンプルとして置いてあったのが、



先のストライプ生地で仕立てたこのジャケット。


記念に試着してみましたがアームホールとか腹とかが超窮屈でした(当たり前)。
無念、いやしかしかっこよかった。


古ぼけたようなストライプの生地はそれ自体もとても素敵だったので、
この生地で何か私に着れそうなのがあれば欲しいです。パンツとか。誰か…。






あ、そういえば、




これ(笑)



「背中から糸出てるよ」の次は「背中に髪の毛挟まってるよ」
を新しいアイコンにするつもりなのかと戦々恐々でしたが、
話によるとこれは新しいポニーテールの提案なんだとか。


ああポニーテールすか(笑) そうすかなるほど納得ー(笑)






次いきましょう。プレコレクションです。



メインコンセプトのひとつがこの辺の【伸ばして切って】シリーズ。


要は通常の衣服をぐんっと伸ばして変形させたり、
さらにそれを適当な位置でちょん切ったりして
新しいフォルムを作り出す試みだそうです。


だからラペルがやけに縦長だったり、ボタン位置が異様に低かったりするんですね。
ニットの柄などを見て頂ければ解りやすいかと。
エルボーパッチ付きのニットなどもあって、パッチが巻き添え喰らって
ばっちり伸ばされた挙句縦長の巨大パッチになっていました







これ。
ピークドラペルのジャケットを思いきり引き伸ばして膝下丈のコートにしたもので、
ルックには無いのですがこれが最高にカッコ良かったです。


袖丈が伸びた分をたるませて残してあるのがなんともクール。
裏地は通常の丈なので表地のたるみを好きなように遊ばせられる仕様。
しかも太腿位置にずれた通常のポケットに加えて、
脇のダーツに隠しポケットが仕込んであるんです。もう最高にクールです。
レンガ色の生地も肉厚で素敵。ベタ褒めですね。


欠点といえば
もう既に入荷してるってとこくらいです。



世界がさあこれから暑くなりますよってときに!馬鹿!!








これは【慌てて脱ぎ着してる最中の首に引っかけただけの衣服】シリーズ。

首周りに袖がまとわりついていたり変にたるんでたりするのはこのシリーズのようです。
本当に腕を通す場所などはきちんと別に作られているという相変わらずの謎クオリティ。

こういうマルジェラさん家ルール全開の服はツッコんだ方の負けです。








あとはこういう、身頃に立派なプリーツが宛てがわれたシリーズがありましたね。
ケープとかあったら素敵だと思うのですが、
アウターの類はどれもプリーツ技術料が高めなようで男前プライスでした。








そして今回のベスト・オブ・萌えはライン④のこのリブ編みニット!!

ゆるめのAラインシルエットがかわいいのに加え、
首周りの凝ったパターンと適度にコシのあるリブ編みのおかげで
全方位対応のきれいなハイネックを演出してくれるんです。

両脇にポケットが付いているのも(実用性はともかく)かわいい!






生地はカシミア様の祝福10%含。
前姿では上から下にすとんと流れてるリブ編みが
背中では複雑に入り組む感じとかたまらんですね。


さりげないのに凝っていて悪目立ちしないのに印象に残るという、
これぞマルジェラ、というかマルジェラのこういうとこが好きなんですよね。
いいぞーもっとやれー!

色展開もネイビー・グレー・ベージュetc...と多めのようです。ネイビー推し。
これは欲しいなあ。







(坊主萌え)








ということで、長々と綴りましたがトランクショーでした。
年に2回の新作弄りたい放題祭り、今回も楽しませて頂きました。
いつも本当にありがとうございます。



次はようやく引き取ってきた春夏シーズンのものの話でも。